クレマー旅行記

セスナフライト in QUEENSTOWN(by jilllucaさん)

クレマー
2006年10月、ニュージーランド旅行の途中クイーンズタウンでセスナ機の体験フライトをする機会がありました。
この旅行記はその時の体験記です、ニュージーランド旅行全体の旅行記は「ニュージーランド南島一人旅1~3」をご覧頂ければと存じます。

<10月18日 クイーンズタウン空港14:00離陸 15:15着陸>

クライストチャーチ国際空港発のニュージーランド航空5001便ATR-72はほぼ定刻の12:28にクイーンズタウン空港にRWY(滑走路)23に着陸した。
今日は風が強いようだけど天気はとても良く、5001便も計器進入ではなくビジュアルアプローチでの着陸であった。
今日は13:30からここクイーンズタウン空港のエアーワカティプという小型機の会社でセスナの体験飛行を行う予定である。
エアワカティプは普段遊覧飛行やミルフォードサウンドへのフライトを行っているが、訓練飛行や私のような(ニュージーランドから見て)海外ライセンス保持者の体験飛行も行っている。
早速事務所を探すがどうやらターミナルビルの中にはないようで、一旦外に出てそれらしい雰囲気の方向へ足を進めると、予想通り空港の正門を出た道路沿いに小型機の会社が固まっており、エアワカティプもそこにあった。
ログキャビン風の建物の2階に事務所があり来意を伝えると、受付の女性が本日の担当教官ジュリアン・クレマーさんを紹介してくれた、クレマー教官は金髪の長髪を後ろで束ねており、細身で一見すると女性かと思ったが男性だった。
まずは身上調査?から・・・「日本の事業用ライセンス持ってるんだって?仕事はラインパイロットなの?」「いいえ、残念ながら・・」など等。
ここで悲しいお知らせが一つ、予定ではミルフォードサウンド空港までフライトするつもりだったのだが、本日は西海岸の天気が悪く無理との事、「どうする?」と聞かれ、ワカティプ湖周辺のローカルフライトに変更してもらった、ミルフォード見たかった・・・残念。
湖上空でのフライトなのでライフジャケットを着用し、ヘッドセットを貸してもらい教官の後について飛行機へと向かう。
今日の機体はセスナ社のC172、機体登録記号はZK-ETTだった。
歩きながら「普段何乗ってるの?」と聞かれたので「セスナ172」と答えると「じゃあ今日は操縦は任せるよ」との事だった。
いつも通りにまずは外部点検から始め、ついで中に乗ってのチェックリストへと進む。若干手順が違う箇所もあったが概ね日本と同じチェックリストの内容だった。
管制と話していた教官からタクシー許可が出たことを教えられ、早速地上走行を開始するが、芝生の上の走行は昨日(昨日、クライストチャーチ国際空港でも体験フライトをした)が初めてだったのでまだ慣れていない、舗装路では無い草の抵抗があり出力操作が難しいが、なんとか滑走路端まで走らせる。
芝生滑走路のRWY32からの離陸となるが、日本では芝生滑走路の訓練はないので少々緊張する。
スピードの乗りが多少悪いだけで難なく離陸する、上昇中かなりの風の息を感じるがこのまま北西進して山岳地帯に向かうので一気に8500ftまで上昇する。
離陸するとすぐ山岳地帯にかかる、雪を頂いた山頂ギリギリを飛び越えていく、日本ではまず許されない飛び方だけどこちらではこれが普通の事なのだろう。
それにしてもすごい北風で北進している機はなかなか進んでいかない、しかも山岳地帯、山の風下は強烈な下降気流、風上は上昇気流が発生しているのでドカンと高度が下がったり、上がったりする。山の稜線になるべく垂直に越えるのがコツとのアドバイスを教官がしてくれるが下降気流が怖くなかなか山に近寄りたくない。コントロールで精一杯である。
それにしてもすごい眺めである、素晴らしく綺麗な雪山と青く見える氷河・・・日本ではないなと思う。
写真を撮りたくなり一旦操縦を教官に代わってもらう、さすがに慣れているだけあって小さい舵の修正で確実に山を越えていく・・・国は違えど同じ事業用操縦士なのにこうも違うものか・・・さすがプロとして飛んでいる方はすごい。
Richardson山脈、Earnslaw山の辺りまで飛んできたが、ここ以北、あるいは以西は雲が低くてとても飛べそうにない・・・この先50Kmでミルフォードサウンドなのに・・・。
ここからDart Riverに沿って南下を始める、川ではジェットボートが豪快にターンをしている。
教官が「この辺りに時々釣りに来るんだ」と言う、「何が釣れるの?」「トラウ」・・・いいなあ、釣ってみたい。
さて前方にワカティプ湖が見えてきた、教官が地図を示しながら「湖の北端のグレノーキーの町に空港があるからタッチアンドゴーしよう」と提案してきた、知らない空港はどんなところでも行ってみたいので「了解」と答え、進入のための降下を開始する。
グレノーキー空港の詳しい諸元は分からなかったが滑走路がだいたい南北方向に向いている、今日は強い北風なので南から北に向かっての着陸となる。
グレノーキーの町を左に見ながらワカティプ湖上を南下する、ここも芝生滑走路なのでどこが空港でどこがただの草地か判断がつかない・・・おそらくあそこが空港だろうという所がちょうど左後方45度にきたところで90度左旋回してベースレグに入る、海外ではベースに入る前にフラップを降ろし速度も緩めるのがスタンダードだが、日本では(ひょっとして八尾だけ?)ベースに入ってからフラップを降ろす、隣の教官が一瞬意外そうな顔をしていたが、慣れない場所で慣れない事はしたくないのでここはこのまま日本流で行かせてもらう。
いい頃合で更に90度左に旋回してファイナル(滑走路の延長線上)入っていく、あいかわらず芝生滑走路と周りの芝生の境界が分かりにくくPAPI(進入角指示灯)もないので降下角もつかみにくい、細かにパワーを修正しながらなんとか滑走路末端を通過する、緑一面で高度の感覚が掴みにくくフレア(引き起こし)のタイミングが掴めない、かなり荒っぽい接地になってしまった。
そのままフラップを上げて、パワーオンし離陸する。500ftで90度左旋回しクロスウィンドレグに、1000ftで更に90度左旋回しダウンウインドレグに入りそのまま南向き3500ftまで上昇する。
このままワカティプ湖上をクイーンズタウン空港まで進むわけだが、ミルフォードサウンドへの小型機が輻輳するエリアだけに南行と北行できっちりと飛行コースと高度が決まっていて、ショートカットは許されないようだ。
湖の上を淡々と進む、先ほどの山岳地帯に比べると心にも余裕ができ、景色を楽しむ。
名物蒸気船「TSSアーンスロー号」が下に見え追い抜く、前方にはクイーンズタウンの街が見えてきた、教官から南側から空港に入るように指示が来た、「着陸も芝生滑走路なの?」「いや、着陸はRWY23(舗装された滑走路)にする」。
南側からほぼ東西の舗装滑走路を北向きにオーバークロスし、約1マイルほどで右に90度旋回してダウンウインドレグに入る。
一旦空港を東へ抜け旋回RWY23に向き直る。かなり風が強いので北側にクラブを取りながらの進入、滑走路末端で機軸を整えウイングローに切り替える。接地!!まあまあの着陸だった。
舗装誘導路から再び苦手な芝生エリアに入る、まだどこを通るべきかが分からない、エアワカティプの格納庫前までタクシーしてチェックリストを済ませ機を降りクレマー教官と握手、お世話になりました。
事務所に戻ると、市街へ行く1時間に1本のバスがもうすぐ来るということであわててフライト代金の支払いをする、その間、教官は今日飛んだコースを地図に色ペンで記入してくれてフライト前に撮ってもらった写真もセットされた記念証を渡してくれた。

とにかく風が強く山岳地帯でのフライトはかなり緊張しましたがとにかく景色が素晴らしかったです。ミルフォードサウンドに行けなかったことはとても残念でしたので次回訪問の際は再度チャレンジしてみたいと思います。


【旅行時期】2006/10/18~2006/10/18
【エリア】クイーンズタウン
【テーマ】鉄道・乗物
【投稿者】jillluca

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